Prologue

 

1920年――その年、独逸において世界初となる友人探査機が宇宙へと打ち上げられた。人々の期待と共に冒険家フーバー・タールシュトラーセを乗せたその船は、しかし、不慮の事故によって地球圏への帰還が不可能となり、搭乗者を乗せたまま月の周回軌道に取り残される事になってしまう。船内の酸素が残り僅かとなる中で、宇宙に取り残されたフーバーは、地上の人々にある言葉を残して交信を絶った。曰く、「宝を見つけた」と。

『――俺だけの秘密にしておこう。多分、俺の次にここまで来たヤツならば、この宝に気付くはずだ』

フーバーは『宝』の正体を明かさぬまま交信を終え、そして還らぬ人となった。以降、人類は宇宙への飛翔を果たすことなく、やがて彼の存在は人々の記憶から薄れていった。いや、彼の存在だけではない。彼の言葉も、『宝』のことも、宇宙への欲求も、そして、彼が地上に残した“家族”のことも……。そして、十五年の歳月が流れることになる。

1935年――クリスマスを目前に控えたその夜、一人の青年を、軍の兵士達が取り囲んでいた。超然とした態度で佇む青年に対し、部隊の指揮官が詰め寄る。国家の大義を説く指揮官の言葉に、長身の青年は嫣然と微笑んで告げた。

「――空を越えるのに許しなんか必要ないですよ」

機甲都市『伯林』の空を舞台に、世界を震撼させる狂騒の幕が今ここに上がる。

 

 

 

 「出て来い、ヴァルター! 討ち入りじゃあ!」

 

 

 

  「ヘ、ヘイゼル先生?! い、一体どうされましたの?!

 ヴァルターさんは、このお話の主人公ですのよ? 名指しで

 ぶっ殺し宣言とか、アクセル全開過ぎますわ!」

 

 

 「うっさいですわ! あの男のせいで、私の家は大迷惑でしたのよ!」

 

 

 

 「あ! そういえば、先生のお父さんって、この事件が原因でリストr……」

 

 

 

 「ヒオ? 過度なネタバレは死刑ですよ?」

 

 

 「ヒイッ! ごめんなさい!」

 

 

 「ふふっ、分かればいいですわ。さっ、それじゃネタバレしない程度に、

 ちゃっちゃっとお話の紹介に移りましょうね」

 

 

 「ハァ……」

 

 

 

 「悪い主人公達は死にました。以上」

 

 

 

 「いきなりウソ予告キタコレ!ですの!」

 

 

 「いやあ、カイザー何とかは強敵でしたわねwww」

 

 

 

 「……(駄目ですのコイツ。早く何とかしないと……)」

 

 

 

 「とまあ、冗談はこの位にしましょうか。さて、このお話の粗筋はと言いますと

 第二次世界大戦前夜の独逸で、『成長』する特殊な宇宙船を作った主人公達が、

 機体の接収を目論む軍と戦いながら、宇宙を目指すという流れですの」

 

 

 

 「ウオオオッ、端的な説明に、ヒオ感動ですの!

 先生、やれば出来るじゃありませんの!」

 

 

 「ちなみに、後に刊行された『機甲都市伯林』(1~5巻)は、この『パンツァーポリス

 1935』の二年後からお話がスタートしてますので、興味があったらぜひ読んで下さい。

 金髪巨乳の超絶美少女ヒロインが大活躍するお話ですの! ポロリもありますわよ!」

 

 

 「さ、最後に自分のお話のCMとか、マジ鬼畜な女ですの……」