●ハジ

“軍”と名乗る謎の組織を束ねる男。日本UCATを敵とし、『全竜交渉』を叩き潰す為に裏で暗躍を続けている。情報屋として各Gの生き残りに情報や物資の援助を行いながら、彼らに対して“軍”への参加を呼び掛けている。

常に笑みを絶やさず、例え自分に敵意を向ける相手であっても、鷹揚な態度で接し続ける。ただし、仲間に誘った1st-Gのハーゲンから「その笑みが本物だったら」と指摘されたように、他者に対しては決して本心を見せない。UCATを『己の悪を誤魔化そうとしている悪党ども』と呼び、その『悪党を滅ぼす』ことが“軍”の目的であると断言してはばからない。佐山達が『全竜交渉』を進めるのを監視しながら、密かに戦力を強化して来るべき日に備えている。

命刻と詩乃という二人の養女がおり、彼女達から“お義父さん”と呼ばれ慕われている。彼によれば、彼女達こそ「全ての終わりより預かった娘達」であり、現在の「間違っていく世界を正常にする」ために必要な、そしてLow-Gを含めた「私達の全てを受け継ぐべき」本来の資格の持ち主だと云うのだが……。果たして、不敵な笑みを浮かべながらLow-Gに対して弓を引き続けるこの男の真意とは――。

その正体は、『概念戦争』当時に猛威を振るった9th-Gの大将軍。純戦闘系Gと呼ばれた9th-Gの軍を代表するほどの実力者であり、敵対する各Gに多大な被害を与えた作戦の指揮官だった過去を持つ。巨大な長槍を軽々と操る体躯を持ち、更には9th-Gで造られた強力な概念兵器をその身に宿している。戦場で敵対した相手に対する精神的な揺さぶりにも長けており、その総合的な戦闘力は各Gの神のクラスであっても不覚を取りかねないほどである。

『全竜交渉部隊』を幾度となく苦しめる強大極まる難敵であり、かつてUCATによって隠された『概念戦争』の“その後”を知る数少ない人物。個人的にも『八大竜王』の一人とされる男と深い因縁を持っており、彼との決着を激しく望んでいる。“滅びと過去の代理人”にして、恐らくは本作におけるもう一人の“悪役”。

映像化の際は、やはりCV:ジョージでいって欲しいですねえ。

 

「だから今日はサービスしたんだ。精一杯のサ――ヴィス、それだ」

 

 ●戸田・命刻 (とだ・みこく)

“軍”に所属する少女。ハジの養女であり、同じく養女である詩乃とは義理の姉妹関係にある。ハジの護衛や『全竜交渉』への監視活動など、“軍”の一員として数々の任務をこなしている。武器として日本刀を愛用しており、一直線に相手へと斬りかかるスタイルを得意とする。

同じく“軍”に所属する長田・竜美から剣の手ほどきを受けているが、今まで竜美に対して攻撃を当てることが出来ておらず、自身の未熟さを痛感している。しかし、師匠格である竜美に言わせれば、単に力を使いこなせていないだけであって、いずれは“物凄いところまで伸びる”との事である。 かつて両親から送られた特殊な概念をその身に宿しており、その力を持って数々の戦場を突き進んでいく。

非常に生真面目な性格をしており、自分よりも他人のことを優先して考える傾向がある。特に義妹である詩乃のことは大事に思っており、彼女の身と将来に思いを巡らせているのだが……。そんな彼女にはもう一人、以前から気に掛けている人物がいる。自分達と“同郷”でありながら、当時の記憶を失くし、そして現在は『全竜交渉部隊』に身を置く“彼女”の事を……。幼馴染だった“彼女”の身を案じつつ、それでも『全竜交渉部隊』を敵とするこの少女達の“正体”とは――。

かつて『八大竜王』ですら立ち入る事が出来なかった“ある施設”に入る資格を持ち、途轍もなく巨大な“過去”を受け継ぐことになるなど、本作で最重要に位置するキャラクターの一人。“進撃”を唱える佐山に対し、その対抗者となるべき役割を宿命付けられている。

2巻上の第14章での“家族”の会話や、6巻下のP142の“親子”の会話は、折に触れて何度も読み返すシーンの一つです。大事な時はやっぱり肉! お肉ですわよね!

 

「今や私の名前の力の通り、……命を刻むぞ」

 

 ●詩乃 (しの)

ハジの養女であり、命刻の義妹にあたる少女。二人から可愛がられており、当人も義父と義姉を本当の家族のように慕っている。気弱で引っ込み思案な性格だが、強い責任感の持ち主でもあり、参加した“軍”の仕事に対しては、しっかりとその役割を果たそうとする。

直接的な戦闘力は持たないものの、強力な概念が封じられた賢石ペンダントの力によって、敵地でのかく乱や情報収集など様々な支援効果を発揮することが出来る。 敵対する者にとっては非常に厄介な能力を持つ“狗使い”であり、シロという名の白い大型犬をボスとする犬達のグループを引き連れ、単独でUCATへの侵入を成功させるほどの実力を持つ(――とは云え、その侵入先では、とんでもない『秘密兵器』が彼女を待ち受けている)。

彼女も命刻と同様、新庄を含む“五名の生き残り”の一人であり、UCATの情報操作によって秘匿された“過去”に繋がる出自を持っている。養父であり“軍”の首領であるハジによれば、彼女達には『絶対の正義』があり、引いては『Low-Gを手中に収める』権利すらも有するとの事なのだが……。果たして、それは単なるテロリスト達の妄言なのか、それとも――。

本人は“軍”の一員として皆の役に立ちたいと思っているが、命刻としては大切な義妹を“現場”から遠ざけておきたいと願っており、それゆえに両者の間にはやがて微妙なすれ違いが生まれることになる。そんな互いの距離は埋まり切らぬまま、やがて“軍”は日本UCATとの決戦の日を迎える事になるのだが……。

物語が進むにつれ、佐山と近しいある姉弟との間に思わぬ“接点”が明らかになるなど、彼女もまた本作の進行に大きな影響を与える重要キャラクターの一人である。他にも『都市シリーズ』のOSAKAに登場する“彼女”とは多くの部分で似通っており、後に一部ファンの間で 「犬使いは要注意」という共通認識を生み出す原因ともなった。美観判定Aクラス。

 

「いつか、いつかきっと、……死を克服する世界を作ってみせるって」

 

 ●長田・竜美 (ながた・たつみ)

“軍”に属する女性。麗しい見た目からは想像も出来ないほどの武術の達人であり、命刻に対しては剣術のレクチャーなどもしている。その戦闘力の高さには弟子である命刻も呆れており、生真面目な彼女をして「木刀で機殻剣を相手に出来るような女兵器に誰が敵うか」と言わざるを得ないほどの腕前の持ち主。

命刻や詩乃と同じく、彼女もまた“五人の生き残り”の一人であり、自らの意思によって“軍”に参加している。日本UCATによって消された“過去”に繋がる者として、『全竜交渉部隊』の前に幾度となく立ち塞がる強敵の一人。個人的にも『全竜交渉部隊』に参加した一組の少年少女とは深い因縁を持っており、その圧倒的な力を持って彼らとその“武神”の前に立ちはだかる。

子供時代に“故郷”を離れてから“軍”に参加するまでの間には数年のブランクがあり、その期間はLow-Gの或る一家に引き取られ、養女となって別の名前で暮らしていた。彼女が使う“流派”も、その家族と暮らしていた時に磨かれ研ぎ澄まされたものである。鍛えた師匠は『八大竜王』、飛場・竜徹。そして、幼かった彼女に与えられた名は飛場・美樹と云う。果たして、今も自分を“義姉”と慕う少年に対し、彼女が向ける冷たい刃と強い眼差しの持つ意味とは――。

2nd-Gの皇族である月読・有人がかつて開発した機殻剣『美明(みめい)』の現所有者であり、他にも最強クラスの“武神”を手に入れるなど、本作においても破格の強さを誇る。更には“軍”に所属する一人の機竜との間に他人が踏み込めない関係を築いており、命刻から「実質上、“軍”の全攻撃力を支配している」と嘆息されるほどである。それほどの強者である彼女が欲するのは、あくまで自分達の“偽者”に対する断罪なのか、或いは――。

その外見や言動は勿論、隣に居る“相方”との通じ方まで、ただいま某航空都市艦で大絶賛キルマーク量産中のあの“姉キャラ”に多くを引き継ぐ事になる女性。歩きながらワンカップ片手に焼き鳥をつまむなど、酒飲みなところも一緒である。あと揉まれるのも一緒。めくられるのも一緒。「若さとはそういうものだ。拙僧にも覚えがある」

 

「じゃあね、竜司君、美影ちゃん」

 

 ●アレックス

“軍”の持つ最大最強の航空戦力。一人称は“我輩”。「機竜」と呼ばれる竜の形を模した大型兵器の一体にして、十年前にLow-Gへと逃れた“五人の生き残り”の一人。初登場時は鋼色だったが、本人の強い希望によって、後に赤と青と白に☆マークという星条旗柄に塗装された。“正義”に対して強いこだわりを持っており、自らもまた“正義の味方”であり続けることを固く誓っている。

元々はごく普通の少年だった彼だが、十年前に起こった“崩壊”の余波によってその寿命は極端に短くなってしまう。そんなアレックス少年を救うべく、長田・竜美の両親が、開発中だった機竜に彼を“合成”することで、その寿命を生き長らえさせるのに成功した(尚、合成手術の成功と時を置かずして竜美の両親は双方ともに亡くなっている。そして竜美が“軍”に合流したのは、そんな両親の死からわずか数日後のことであった)。

UCATを「悪の組織」と呼び、戦場で対峙したヒオと原川を「悪の組織の幹部」と評する彼ではあるが、その姿勢には憎悪や陰湿さは感じられず、どこまでも自身の信じる“正義”への純粋さが際立っている。言動はいささか以上に子供っぽいが、その戦闘力は極めて高く、サンダーフェロウをも上回る加速能力に加え、口の中に搭載した主砲から強力な光学兵器を発射するなど、絶大な破壊力と機動性を兼ね備えている。

人間であった頃から竜美とは親しく、彼女と連れ立って機竜の発着所に見学に来ていたりしていた。当時、彼女の喧嘩を止めようとした際、巻き添えで彼がケガをした事があった。その時、泣いて謝る竜美の涙を見た彼は、一人自分の胸に「誰も泣かなくする」事を誓う。かつて自らが憧れ問いかけた「正義ってなんだろう?」という問いかけの、その答えの在るべき姿として――。悲嘆と後悔の渦巻く戦場の空を、ひるまず、恐れず、どこまでも速く飛翔する気高き魂を持った鋼鉄の竜。

まったく、あの爺さんといいアレックスといい、機竜はどこでも大忙しだわ!

 

『ははは! 正義の味方、機竜アレックス、ここに推参である!!』

 

 ●ヨルス

“期待外れ”の二つ名を持つ大柄の女傑。10th-Gの神族。ハジからの誘いに乗り“軍”に合流した。機関銃を始めとする自作の重火器を幾つもコートの中に収めており、それらを次々と取り出しては相手に容赦なく叩き込むという、豪快な戦法を好んで多用する。

10th-G神族こそ「全G中最強」と言ってはばからず、誰に対してもふてぶてしい態度で接するが、そう豪語するだけの絶大な“能力”の持ち主であり、本作においても屈指の厄介さを誇る強敵の一人。その特異極まる“能力”の前では、例え『無限の攻撃力』を持ってしても、ただ一つのカスリ傷ですら負わせる事が敵わないほどである。

娘が「10th-Gの姫」であった事から推察するに、10th-G王家の中でもかなりの地位に居たと思われる人物。それほどの大物である彼女が“軍”に合流したのは、別にハジの理想に共鳴した訳ではなく、単に自分の“期待”を裏切り続けた現在の全てを叩き潰すためである。

戦場において圧倒的な力を振るう彼女は、やがて一人の青年と対峙することになる。光の翼を持つ少女と並び立つその青年こそ、彼女の大事な親友と娘の血を引く、最大の“期待外れの塊”なのだが……。

このバアさんにしろハジさんにしろ、年寄ーりのツンデレーはこじーらすとマンドクセーなのーね。

 

「あたしの期待外れも本領発揮ってもんさね」

 

 ● ?

ある人物と瓜二つの容姿を持つ自動人形。最後にして最初の存在。永い眠りから目覚め、主達の帰還を待っている。鐘の音を希む者。

 

 

 

 

 

『新しい世界ですね? ――以上』