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1945年、工業都市として栄えていたDTにおいて、事故により言詞爆弾が爆発――その影響によって広大な空白地帯が生まれた。更に翌年行われた調査によって、DT内部が電詞空間化していることが確認される。1957年には、“三賢者”によって、DTは他に類を見ない特性を備えた電詞都市としてフォーマットされ、独自の研究が進められた。やがて、“三賢者”の下には各国の研究者達が集い、彼らによって一つのプロジェクトが進められることになる。神触実験――1977年に行われた“それ”は、しかしDTを半壊させるかたちで失敗し、指導者であった“三賢者”をも失わせる結果となる。

消失した“三賢者”に代わってDTを統べることになったのは、九家十三亜神と呼ばれる十三人の研究者達とその家族だった。神触実験の影響により不老不死の存在となった彼らは、王朝制を敷きDTを復興――そして、先の第一神触実験より五年後の1982年、第二神触実験を行う。しかし、その結果は芳しくなく、得られたのは只一つの予言だけだった。曰く、「これから二千年の後、その時から全ては良くなっていくでしょう」と。

――外界の百倍速で時間の流れる『電詞都市-DT』において、予言により詠われた“二千年後”が訪れるとされる2000年7月7日の前日……ある犯罪者を追って日本から一人の青年がDTへと入国する。青年の名は青江・正造。国家級犯罪に対処する特殊部隊『GASAS』の第四班班長にして、かつて予言を詠んだ十三亜神の少女、優緒・ナタスの“先輩”にあたる人物だった。

自らを『奏荷(プラス)の脱落者』と思い悩む青江と、かつて諦めを選んだ『騒荷(マイナス)の主流』たる優緒――果たしてこの二人は、三度繰り返されようとする神触実験を止めることが出来るのだろうか? 記憶を封じられた“偽物の都市”において、最後に彼らが見出すものとは――。

 

 

 

 

 

 「さて、突然ですがクイズの時間です。ヒオ、心の準備はいいですか?」

 

 

 

 「えっ、いきなりで困りますの! でも、ヒオ頑張って答えてみますの!」

 

 

 

 「DTとは、何の略でしょうか?」

 

 

 

 「はい! 答えはデトロイトですの! 簡単ですの!」

 

 

 

 「――フウ、まったくヒオにはガッカリですわね」

 

 

 

 「えっ?! DTって、デトロイトの略じゃありませんの?!

 ヒオ、ずっとそうだと思ってましたの! 先生、本当の答えを教えて欲しいですの!」

 

 

 「先生からは言えません。原川少年に訊きなさい」

 

 

 

 「よく解りませんけど、DTって何か、原川さんなら知ってるんですの?」

 

 

 

 「ええ、彼ならよく知ってるはずですわ。大事なモノですけど、

 ヒオが頼めばきっと実物を見せてくれますわ。ええ、下手したら、

 その晩のうちに失くなるかも知れませんけど」

 

 

 「失くなる?! DTって、ヒオが見ると失くなってしまうんですの?!」

 

 

 

 「その可能性は高いですわねぇ」

 

 

 

「大事なモノは失くしたらダメですの! ヒオ、原川さんに『ずっとDTを大事にして下さい』ってお願いしますの!」

 

 

 「ごめん。それは止めてあげて」

 

 

 「えっ? どうしてダメなんですの?」

 

 

 

 「……さ、さ~て! 今回の『電詞都市-デトロイト』ですが! このお話は聖書に

 まつわる伏線やエピソードがてんこ盛りですの! だから! そっち系の知識がある方

 なら読む楽しみが更に増えると思います! ええっ、神の子の事とか!」

 

 「つまり、キリストとDTには関係があるって事ですの?」

 

 

 

 「ハイハイお終い! この話はこれでお終いですわ!」