Introduce

 

 1983年に勃発した『近畿動乱』。

 日本が東西に分かれ争ったこの戦乱は、勝者を生まぬまま、最終的に東と西とを分断状態に追い込んだ。

 以降、断絶状態になった関東陣営と関西陣営は、緊張状態のもと、静かに覇を競い続けることとなる。

 

 そして1996年――大阪圏は、かつての動乱に使用され喪失した幻の最強神器『炎神』の復元に、あと一歩まで迫っていた。

 東西のバランスに多大な影響を及ぼすであろう『炎神』の復活まで、残り僅かとなったある日――

 緊張のうずまく大阪の地に、一人の少年が帰還する。 彼の名は、陽阪・勝意。

 かつての『近畿動乱』で両親、そして詞(ことば)を失い、『ディスワーダー(己の詞を持たない少年)』と呼ばれた存在であった。

 

 一方、時を同じくして、東西の門である名護屋に『東』からの越境者が現れる。彼らの目的とは、果たして――。

 歌と舞で闘う街「OSAKA」を舞台に、いま再び動乱の嵐が吹き荒れる

 

 

 

  「さて、今回は『奏(騒)楽都市OSAKA』のストーリー紹介なのですが――、

 ヒオは使うなら近距離タイプですか? それとも遠距離タイプですか?」

 

 

 「え、なんですの、ヘイゼル先生? ヒオ、何のことだか分かりませんの!」

 

 

 「あらあら。ダメですよ、ヒオ。敵キャラとの間合いは常に意識しておかないといけません。

 くんずほぐれつが好きか、それとも遠距離からチクチクいくのが好きか、決めておく必要があります。

 ちなみに先生は、遠距離から大量の手紙爆弾投下で相手が弱ったところを、寝技に持ち込むという高度テクをですね――」

 

 「ね、寝技なんて、そんな! ヒオも原川さんも子供じゃありませんの!

 プロレスごっこなんて、やったりしませんの!」

 

 

 「子供じゃねえからプロレスすんだろうが!」

 

 

 「ひっ! ごめんなさいですの! ヒオはともかく、原川さんはちゃんと大人だから、

 プロレスごっこ大好きだと思いますの! だから、ヒオも頑張ってプロレス覚えますの!」

 

 

 「うふふ、頑張りなさい。最初はむやみにボタンを連打したり、ゲージの溜め方が分からず

 無駄打ちが多くなってしまうと思いますけど、努力すれば高度なコンボを決めることも出来ますからね」

 

 「え、えーと、先生? つまり何のお話ですの?」

 

 

 「もちろん、格闘ゲームの話ですよ。今回の『OSAKA』という小説は、

 まあぶっちゃけて言うと格ゲーとは切っても切れない素地がありますの。

 そう言えば、ヒオは格ゲーはやりませんの? ス●ツーとか、ガロ●ペとか」

 

 「ご、ごめんなさい。ヒオ、そんな古い世代のタイトルは知りませんの。

 ヒオ、ギル●アなら鎖鎌だし、メル●ラなら赤●葉使いですけど、そういった旧世代のは――」

 

 

 「誰がババアだ? アアン? 調子こいてると、ファミリーボク●ングでボコボコにすんぞ?」 

 

 

 

 「せ、先生! そんなファミボクとかキン肉マンとかカラテカとか、マジで歳がバレますの!

 早くストーリー紹介をしないとマズイですの!」

 

 「そ、そうですわね! それじゃ早速、今回の『OSAKA』のお話を紹介しましょう!

 まあ一言で言うと『僕の幼馴染が遠距離の待ちキャラで近づけないけど、セクハラして悪い訳がない』って感じですの。

 あるいは『東京モンがバグ技で無敵決めてるから、ちょっと通天閣打法きめてブッ飛ばすわ』みたいな感じのお話ですかねぇ。

 なにせ本作においては、過去の因縁によって関東と関西が分かれ、プチ冷戦状態にありますからね」

 

 「ケ、ケンカばかりは、良くないと思いますの。ヒオ、色んな人と仲良くなりたいですの」

 

 

 

 「本当ですね、ヒオ。でも――大丈夫ですよ。悩んで、分かたれて、

 それでも真剣にぶつかったのであれば、それはやがて大きな財産になるのですから。

 そう思いませんか? これは、そういうお話なのですよ。諦めないのであれば、それはいつかきっと、ね」